未来の妻を誘拐!?ロンボク島ササック・エンデ村に残る独自の伝統

誘拐はもちろん犯罪行為だが、ササック・エンデ村ではロマンティックな伝統儀式のひとつ。

同村のツアーガイド、アルビンさんは儀式の詳細を次のように語る。「村では『メラリ』と呼んでいます。『誘拐』という言葉を使うと犯罪行為のように聞こえますが、村では愛し合う恋人同士の間で合意のもとに行われる行為です。男性はまず、意中の女性に誘拐を宣言します。その際に、女性の家族に誘拐の計画を知られてはいけないのですが、近年はWhatsAppなどのメッセージアプリを利用して計画を伝えることができるので簡単です。誘拐された後、女性は誘拐犯の両親の家または集落の長の家に連れて行かれます。」

「翌日、誘拐された女性の家に使者が送られ、娘が誘拐されたこと、結婚を望む者がいることが伝えられます。その後、後見人を決め、持参金などの話し合いが行われ合意されたら、挙式が行われます」とアルビンさんは続けた。この一連の儀式は2〜7日程度かかり、その間、誘拐された女性が家に帰ることは禁じられているという。

ササックの結婚式の伝統はそれだけではない。新郎新婦とその家族には、村内で結婚披露宴を開く義務がある。結婚披露宴の後には「ニョンコラン」と呼ばれる新郎新婦が村内を巡る儀式とダンスが行われ、晴れて新郎新婦は夫婦と認められる。