テクノロジー、モビリティ、ファッション…あらゆる分野で急速に進化が進む現代社会。先住民族の暮らしも変化しているのであろうか。インドネシアの先住民族について学んでみよう。
紀元前2000〜500年にかけて西スマトラに移住したとされるムンタワイ族は、世界最古の部族といわれている。男性は「カビット」と呼ばれる樹皮でできたズボンを、女性は「ソックマイ」と呼ばれるバナナの葉でできたスカートを着用する。ユニークなタトゥーアートも部族の特徴のひとつであり、タトゥー愛好家が観光で部族を訪れている。
パプア最大の部族といえばアスマット族。沿岸部に住む人々は漁師、内陸部に住む人々は狩人や農民として生活することを好む。創造主フメリピッツ神が彫った像が先祖であり、自分たちは神の化身であると信じる。ゆえに彫刻や手工芸品を作ることに熟練した者が多い。
クブ族の呼び名でも知られるアナック・ダラム族は、スマトラ島のジャンビに住む少数民族。2015年にジョコウィ大統領が面会したことで知る人も多いのではないだろうか。この部族には自然の森、ヤシ農園や産業植林地で生まれ暮らす人もいれば、他の村に溶け込んで生活する人もいる。ジャンビと南スマトラの森林資源が失われてゆくなか、彼らは周縁化され困難な生活を送っている。