トヨタやホンダなどの日本の自動車メーカーと提携するコングロマリット「アストラ」の創始者ウィリアム・スルヤジャヤ氏と、元財務大臣ラディウス・プラウィロ氏によって2005年に設立されたラッフルズ・クリスチャン・スクール。創設時からの日本との縁に始まり、東洋の価値観の共有、日本の中高等学校・大学との提携など、日本人にとって親しみやすい点が実は多い。日本人保護者が聞きたい5つの質問に学長のTan氏にご回答いただいた。
―――教育目標と校風について教えてください。
本校では行動指針として「CHRIST」を掲げています。学校全体で難民支援などのCSR活動に取り組み、「他者を思いやる心(COMPASSIONATE)」を教えています。間違いを恐れることなく行動できる環境をつくり、生徒には間違った行動をした時も「誠実(HONEST)」であることを期待しています。お互い、他文化に対し「敬意を表する(REVERENT)」ことの大切さ、他人に対し誠実な「関心を寄せる(INVOLVED)」こと、他者を思いやり「尽くす(SERVING)」気持ち、困難を諦めずに乗り越える「粘り強さ(TENACIOUS)」を身につけること、を教育目標としています。
そして何よりも本校では創設以来、すべての活動を生徒中心に行うことを大切にしてきました。一例として脱プラスチック運動『バイバイ・プラスチック』に参加する生徒の声をきっかけに、本校の食堂ではプラスチックカップの使用をやめました。同生徒たちは、大手スーパーの経営者と話し合いの場を設け、エコバッグをデザインし、レジ袋廃止を提案しました。その他にもプログラミングやAI技術を活用した手話学習など、生徒たちは様々な活動を自主的に行っています。
スポーツプログラムにおいても、生徒主導の取り組みを尊重しています。他校を招待して開催するサッカー、バスケットボール、バドミントン、卓球などの試合・大会も、マーケティングなどの準備から当日の運営まで、生徒主導で進めています。
―――どのような先生方がいらっしゃいますか。
10年以上の勤務経験を持つベテラン教員と若手教員をバランス良く採用しています。教員の国籍はシンガポール、フィリピン、マレーシア、中国、インド、米国、英国等と多様で、海外で教育を受けたインドネシア人教員も活躍しています。
本校は、教員向けのワークショップや研修を実施する、インドネシアで唯一の教員専門能力開発機関です。故に教員の能力向上には常に力を尽くしています。ワークショップや国際会議への参加を奨励するなど、自己研鑽の機会も提供しています。
―――御校の特徴は何ですか。
本校の特徴のひとつは、学校に対する生徒のワクワク感を重視していることです。校内に「student experience」というチームを設置し、生徒がどのように学びたいか、どのような学校生活を送りたいかを話し合い、学びを楽しくするプログラムを生徒と一緒に設計しています。
もうひとつの特徴はイノベーションに重点を置いていることです。校内に「innovation branch」というチームを設置し、生徒のイノベーションプロジェクトを支援する資金を集めています。生徒は自身のアイディアをパネル審査会に向けてプレゼンし、この資金を活用してプロトタイプを開発することができます。作文スキルや研究スキルを学ぶだけではなく、学習によって学んだ知識や生まれたアイデアを、実社会において他者に有益なものに変換できるスキルを身につける機会を提供できる学校でありたいと考えています。
本校では西洋の情報・知識と東洋の価値観を融合させています。挨拶や身だしなみ、礼儀作法などの東洋の価値観を大切にしながら、デザイン思考やイノベーションといった西洋の強みを活用しています。
―――生徒の層は?英語学習はサポートしてもらえますか。
世界14 か国の生徒が在籍しており、英語を母語としない生徒に関しては、長年の経験に基づき確立した英語学習プログラムによって基礎固めをしてから、授業にご参加いただいています。この点においては日本人の保護者の方々にもご好評をいただいています。
―――成績や進学の実績は?
生徒の学ぶ意欲を育むことを重視した結果が、ケンブリッジ国際認定試験の優秀な成績に表れています。約60~70%の生徒が、優秀賞または全教科において(同試験で最高評価の)A*を獲得し、米国のアイビーリーグを含む世界のトップレベルの大学への進学ならびに奨学金授与を果たしています。日本の大学では、東京大学、九州大学、名古屋大学、横浜国立大学、上智大学、早稲田大学、慶応義塾大学、立教大学、APUなどへの進学実績があります。
本校は茗溪学園中学校高等学校と提携し、短期交換留学プログラムを実施しています。また、関西学院大学ともパートナーシップを結んでいます。今後も他校との協力関係を深め続け、国際的なつながりを構築し、グローバル化を維持することが重要だと考えています。また学校の枠を超えて様々な企業や業界と緊密に連携し、生徒たちの学習意欲をより一層高める革新的なプログラムを提供していきたいと考えています。
多彩なイベント(プレスクール~高等部)
・9月ラッフルズ杯|生徒会主催で行われる、他校を招待してのスポーツ大会。
・11月運動会|3キャンパス合同で行う大規模な運動会。小学部〜高等部の生徒が4つのチームに分かれて優勝に向けて競い合う。
・2月Raffles Model United Nations|他校の生徒も招待し、国際問題について各国を代表して話し合いを行う高校生のイベント。
・6月卒園・卒業式
施設情報
住所 |
ポンドックインダ校Campas1(小学部・中学部・高等部) Jl.Gedung Hijau Raya I No.1 Pondok Indah, Jakarta Selatan ポンドックインダ校Campas2(プレスクール) Jl.Sultan Iskandar Muda No.1 Arteri Pondok Indah, Jakarta Selatan クラパガディン校 Jl.Gading Pelangi No.1 Kelapa Gading, Jakarta Utara クボンジュルック校 Jl. Meruya Ilir No.89 RT.1/5 Meruya Utara, Kembangan Jakrta Barat |
電話番号 |
ポンドックインダ校Campas1 +62-812-8561-0098(WhatsApp可) ポンドックインダ校Campas2(プレスクール校舎) +62-856-9385-4147(WhatsApp可) クラパガディン校 +62-852-1860-2161(WhatsApp可) クボンジュルック校 +62-878-7724-1078(WhatsApp可) |
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Website | raffles-international.org |
Gary Tan 氏
シンガポール教育省の奨学金プログラムにより南洋理工大学を卒業。教育者として24年以上のキャリアを持ち、現在も最先端の質の高い教育を提供することに情熱を注いでいる。来イ前は、クレセント・ガールズ・スクールの副校長を務め、シンガポールでは教育省や国の委員会の委員を数多く務めた。教育業界の変革者であり、自身が奉仕する学校やコミュニティに社会的インパクトを与えることを目指している。