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ポテンシャル秘める国産ワイン 酸味の強さが特徴

東ジャワの小さなコミュニティで始まったインドネシアのワイン造りは、今や上場する地場ワイナリーが存在するほどの事業へと発展した。しかし、酸味の強いインドネシア産ワインは、現在はバリ島の観光客が需要の大半を占めている。気候を活かしたブドウの栽培と高品質なワイン造りが進み、今後ジャカルタで若者に受け入れられれば、国産ワインは巨大市場になり得る可能性を秘めている。

バリ島のワインブランド「Hatten」を展開するハッテン・バリは、2023年1月にインドネシア証券取引所に上場を果たした。今年、バリ島に外国人観光客が戻るにつれ同社の業績は急速に回復し、株価は上場以来3倍以上に上昇している。

一方で、インドネシア人からの国産ワインの評価は良いとは言えない。特にジャカルタのブロックMでアルコールを楽しむ若者たちからは、酸味が強い国産ワインに対し「安物」で「品質が劣る」という印象を持たれている。

ブロックMにある「Lokaholic」というバーを経営するジョシュアさんによると、酸味が強いというのはインドネシアのブドウの特徴であり、ヨーロッパやオーストラリアのワインに比べて品質が劣るわけではないと説明する。ワインテイスティングイベントなどを通し、多様な産地で個性的な風味のワインが造られるという認識を若者たちに与えることが、自分たちの使命だと語った。

インドネシアのブドウが強い酸味をもつのは、暖かい気候が影響している。温帯で栽培されたブドウは成熟がゆっくりで、糖の生成が少なく酸味を強く感じる。また、温帯でのワイン造りは、発酵による成熟が早くアルコール濃度が高くなる傾向がある。結果的に、しっかりとしたボディと風味をもつワインとなる。

前述のハッテン・バリの創業者であるイダ氏は、このようなブドウとワイン造りの特徴を踏まえて国産ワインの品質を高めていくことが我々の使命だと語っている。今後のインドネシア産ワインの動向が楽しみである。