産業省は、これまで廃棄物とされていたパーム油を採った後のアブラヤシの殻を、バイオエタノール製造の原料として利用すると明らかにした。これは2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにしようとするネットゼロエミッションを実現する手助けにもなるという。
これまで、アブラヤシの殻は害虫がわきやすく不要なものとされてきたが、現在では酵素技術によってバイオエタノールや有機酸、付加価値のある化学薬品などの生化学工業製品に加工できるとして、今まで輸入していたこれらの製品を国内で自給化したい考え。
また同省はアブラヤシ殻を分別する試験用工場を所有しており、1日あたり1トンの処理能力があるという。
アブラヤシ殻を加工して有益な原料にすることで、アブラヤシ産業に付加価値を生み出すだけでなく、温室効果ガスの排出量削減にもつながるため、この技術革新は持続可能で環境保護を促進する同省の方針とも一致するとした。