中央ジャカルタのパサールバルにある「ポス・ブロック(ジャカルタ切手収集ビル)」は、オランダ植民地時代にはバタビアの中央郵便局であった。1746年にオランダ東インド会社(VOC)によって、政府の中心である総督官邸(現インドネシア共和国大統領官邸)の近くに戦略的に設立されたこの郵便局は、現在までになんと4回も名称が変更されている。植民地時代から1945年までは「PTTオフィス」として知られていたが、その後「パサールバル郵便電信局」そして「パサールバル・カワル郵便局」に変更。1963年にはスカルノ元大統領が「首都郵便局ビル(GPI)」と呼ばれる新しいビルの建設に着工。パサールバル・カワル郵便局は1999年に文化遺産に指定され、2021年には現在の「ポス・ブロック」に生まれ変わった。
ポス・ブロックは、小さなショップや飲食店が出店しているクリエイティブな観光商業施設。施設内にはカフェ、食料品店、雑貨店、アンティークショップ、アクセサリーショップ、フォトスタジオ、そしてもちろん郵便局もある。ユーチューバーやポッドキャスターのコンテンツ収録に使用されるメディアセンターも併設していて、歴史的なアイデンティティーを保ちながらも、現代的なクリエイティブハブとしての機能を果たすことも期待されている。