顧客に高品質な製品を提供することは、企業にとって至上命題です。その品質を保証する上で、正確な粘度測定は欠かせません。塗料、食品、医薬品など様々な分野で、粘度は製品の機能や使い心地に大きく影響します。粘度計の校正に用いられる「粘度計校正用標準液(以下、標準液)」は、正確な粘度測定を支え、高品質な製品づくりに貢献しています。
今回は世界でも4社、日本では唯一の校正事業者である「日本グリース」の松原氏に標準液事業への取り組みを伺いました。
インタビュー本文
ーー粘度計校正用標準液は、どのような業界で使われているのですか?
標準液は、石油、塗料、食品、電力、医薬品、化粧品など、粘度計を使用するあらゆる業界で利用されています。原料管理、生産物管理、設備保全、研究開発など、様々な場面で品質保証を支えています。


例えば、野菜ジュースの「のどごし」を管理する場合、理想的な粘度を100とします。粘度計で測定した値が100であっても、実際には粘度計が劣化し、正しい値を示していないかもしれません。そこで、粘度100の標準液で測定し、もし105と表示されれば、粘度計を100になるよう校正します。このように標準液を使用することで、常に正確な粘度測定が可能となり、安定した品質の製品を顧客に提供できます。
加えて、近年ではEV用リチウムイオン電池の電解液や半導体洗浄液など、最先端技術分野でも活用されています。

ーー粘度計校正用標準液の品質はどのように担保されているのでしょうか?
標準液を用いた粘度計の校正は、計量標準に紐づいたトレーサビリティを確保し、信頼性の高い品質システムを構築するために不可欠です。
正しい粘度の測定には計量標準に紐づかれた標準物質を使用して定期的に「粘度計」を校正する必要があり、当社では計量法トレーサビリティ制度に基づく、国際MRA※対応JCSS※※登録事業者(認定番号0297)として、国際的に認められた標準液を提供しています。

当社が提供する標準液は、JS 2.5からJS 160000までの13種類を揃え、日本産業規格 JIS Z 8809に準拠しています。また、国際MRAマークを含むJCSS認定シンボル付きの校正証明書を発行しているため、世界各国で安心してご使用いただけます。
(※) 国際MRA(相互承認協定):各国の計量標準機関が、国家計量標準や校正・測定能力に関する相互承認を行う協定。
(※※) JCSS(Japan Calibration Service System):計量法トレーサビリティ制度に基づき、国家計量標準にトレーサブルな校正を行う事業者登録制度。
ーー粘度計校正用標準液をインドネシアで販売しようと思った経緯を教えてください。

インドネシア国内で在庫することで、短納期での納品を実現できる点、そして日本グリースの子会社であるPT NTG INDONESIAによる技術サポート体制が強みです。ご興味のある方は、下記販売店までお気軽にお問い合わせください。