インドネシアにおけるチョコレートの歴史はオランダ領東インド時代に始まった。当時の政府はコーヒー豆と茶葉の栽培に注力していたものの、スペイン人がカカオを持ち込み、カカオ農園が存在していたことが知られている。コーヒー豆と茶葉が害虫や病気の被害を受けたことを機に、1880年頃からカカオの栽培が注目されるようになり、1938年には29のカカオ農園が存在した。これらの農園は後に国有化され、独立後はインドネシアの所有物となった。
19世紀から20世紀にかけて、インドネシアではカカオ栽培が急速に発展し始めたが、当時チョコレートは社会的地位の象徴と考えられ、飲み物としてのみ商品化されていた。独立後のインドネシアでチョコレートは発展を続け、さまざまなブランドが誕生。チョコレートは社会のあらゆる階層で消費されるようになった。
現在インドネシアは年間77万トン以上のカカオ豆を生産する世界第3位のカカオ豆の生産国となっている。ヨーロッパの技術を導入し、環境に優しい農業を実践するバリ島の「ジャングル・ゴールド」は、ヴィーガンでも安心して食べられる100%植物由来のチョコレートを発売。フランスやイギリスで開催された国際チョコレート展示会・コンテストで入賞し、インドネシア産の高品質チョコレートを世界に発信している。