北スマトラ州ランカット県ベシタン郡で4月4日、スマトラゾウ1頭の死骸が発見された。このスマトラゾウは、オスで推定10歳程度。死亡後、約1週間が経過しているとみられている。死骸は完全な状態で残されていたが、死因については、負傷による感染症、もしくは毒物による死亡の可能性もあるとして詳しい検査が行われている。
スマトラゾウは、スマトラ島に生息するアジアゾウの亜種で、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「深刻な危機」に分類されている。一方で、密猟者によって毒殺される事件が相次いでおり、2021年にはアチェ州で頭部と牙が切り落とされたゾウの死骸が発見され、解剖により毒が盛られていたことが判明した。このような状況に対し、政府や環境保護団体などがさまざまな対策を講じているが、違法な密猟や野生動物の保護は依然として重大な課題となっている。