プスン・タグル(Pusung Tagel)はバリ女性の伝統的なヘアスタイルのひとつ。その独特な形状は、バリ文化の美しさとバリ女性の成熟の象徴である。かつては既婚の女性だけが結う髪形として知られていたが、現在では17歳以上の女性であれば良いという考え方が一般的になっている。
時代の流れとともにプスン・タグルにはさまざまな改良が加えられてきたが、髪の分け目など、前髪の部分のみに変化はみられ、プスン・タグルの最大の特徴であるシニヨンの部分は昔も今も変わることがない。通常シニヨンの底は斜めになっていて、左側のタイトな部分はペニャワット(penyawat)、右側の丸い部分はバトゥン・プスンガン(batun pusungan)と呼ばれる。
女性の髪が十分に長い場合を除き、プスン・タグルを作るには「アントル(antol)」と呼ばれる盛り髪用の付け毛が使用される。まず髪を前後2つに分け、後ろの髪を後頭部の真ん中でしっかりと結び、長さ100~120cmのアントルを取り付ける。地毛を捻りながら持ち上げて小さなシニヨンを作り、残りの髪で大きいシニヨンへとまとめていく。最後に毛先をシニヨンの中心または根元にしっかりとピンで留める。礼拝や政府の公式イベントなどに出席するバリ女性の髪形をチェックしてみよう。