社会的不平等とは「経済的、社会的、文化的に、コミュニティーのさまざまな側面で生じる不平等、差異、格差、不均衡な状態」を指す。その格差や不均衡は貧富の差だけでなく、教育、健康、仕事、その他さまざまなリソースへのアクセスの有無によっても生じる。中央統計局(BPS)のデータによると、インドネシアのジニ係数(※)は2024年3月の時点で0.3799、9月の時点で0.388に上昇。農村部では0.308、高層ビルの間にスラム街が残るジャカルタなどの都市部では0.402となっており、社会的不平等の解消は依然として大きな課題である。
例えば話し相手の背後の扇風機の音を雨音と勘違いするなど、日常的な会話や何気ないやり取りのなかで、生活様式における違いが表面化して格差が浮き彫りになり、劣等感や気まずさを感じことがある。その瞬間の例を挙げ、社会的不平等がなくならない社会を風刺するトレンドが最近SNS上で生まれている。どの投稿も面白おかしく編集されてはいるが「まさに自分が経験したことだ」という共感や「今まで考えたこともなかった」という気付きと反省の機会を見る者に与えてくれることもあり、大きな波紋を呼んでいる。
(※所得の不平等さを測る指標のひとつ。数字が大きいほど、富裕層と貧困層の格差が大きいことを表す。)