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文化を守り、世界に誇る“生きた遺産”

(c) travel.kompas.com

バニュワンギの「デサ・ウィサタ・オシン・ケミレン」が、国連世界観光機関(UN Tourism)の「Best Tourism Villages Upgrade Programme 2025」に正式登録された。ASEAN Homestay Award 2025に続く国際的快挙だ。

スラメタンや伝統舞踊など、オシン族の文化と生活をそのまま体験できるこの村は、“自然より文化を見せる”観光地として知られる。村長モハマド・アリフィン氏は「私たちの魅力は、文化・芸術・生活の知恵そのもの。観光客を迎えるのは、自然体のホスピタリティだ」と語る。

その象徴が、毎年11月に開かれる「フェスティバル・コピ・スプル・エウ(1万杯のコーヒー祭り)」。住民全戸が家の前に机を並べ、来訪者に無料でコーヒーを振る舞う。「Suguh(もてなし)」「Gupuh(機敏で温かい歓迎)」「Lungguh(居場所を整える)」の3つの哲学が、村全体を一つの家のように変える。

かつてはバリ経由の通過点だったが、今ではオーストラリアをはじめとする外国人が“オシンの文化”を目当てに訪れる。伝統を残すことがゴールではない。ケミレンは今、文化を“生きた日常”として未来へ継ぐことで、世界に新しい観光の形を示している。