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製造業に「静かな解雇」の波

製造業で、解雇の波が現実味を帯びている。世界経済の減退に加え、自国通貨ルピアの下落、安価な輸入製品の流入が国内産業を圧迫しているためだ。労働組合連合(KSPN)のリストディ会長は、テキスタイル、プラスチック、電子機器、自動車、セメントの5分野を中心に、雇用調整の圧力が強まっていると警告する。

雇用悪化の実態はすでに深刻だ。リストディ氏によれば、世論の注目を避けるため、少人数の削減や契約非更新といった「静かな解雇」が水面下で常態化している。背景には、解雇の事実が表面化することで銀行の融資引き揚げや取引先の信頼低下を招くことへの懸念がある。特に衣料品などの国内市場向け産業は、現地生産コストを下回る安価な輸入品との競争を強いられており、生産縮小を余儀なくされている。

全国労働組合協会(ASPIRASI)のミラ会長も「解雇はもはや憶測ではなく、労働集約型産業を直撃している」と指摘する。同氏は政府に対し、輸入管理の徹底や為替の安定化、さらには労働集約型産業へのインセンティブ付与といった抜本的な介入を求めた。経済政策における雇用保護の優先順位向上が、危機の連鎖を食い止める鍵をにぎっている。