インドネシアの夜を彩る人気の屋台、アンクリンガン。一口サイズのご飯や温かい飲み物、串焼きを手頃な価格で提供し、ジャカルタやジョグジャカルタをはじめ全国の街角で親しまれている。
この屋台の発祥地はジョグジャカルタやソロと思われがちだが、真の起源はクラテンである。創始者は、ンゲランガン村出身のカルソ・ジュクットという青年だ。1930年代、14歳でスラカルタへ渡った彼は、ンバー・ウォノから商売を学び、天秤棒の前方に食べ物、後方に飲み物を乗せて売り歩くスタイルを考案した。
スラカルタでは、この屋台をヒックとも呼ぶ。これは売り子が「Hiiik turrr」と発する独特な呼び声や、「村の特別な食事」を意味する言葉の頭文字に由来するという。
現在、アンクリンガンは国の無形文化遺産に指定されている。発祥地であるンゲランガン村はモニュメントも建てられ観光村となっており、一人の青年の小さなアイデアが今も多くの人々の心を温め続けているのである。
もうひとネタ!
アンクリンガンという言葉は、1918年のオランダ植民地時代の新聞記事にすでに登場しているそうだ。泥棒が屋台に隠れたという事件の記事だが、当時から街の風景に溶け込んでいたことがわかる。

















