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独房から「キャッサバ帝国」へ 元受刑者が成し遂げた再起劇

中部ジャワ州サラティガにあるンガグリック地区は、今や「キャッサバの里」として知られる一大拠点となっている。この地を観光客が押し寄せる特産品の街へと変貌させたのは、一人の元受刑者、ハルダディ氏だ。

同氏が創設したブランド「シンコン・ケジュ・デー・スンビラン(D9)」は、現在1日5〜8トンもの生産量を誇る。ブランド名の「D9」は、かつて同氏が薬物事件で収監されていたスラカルタ第1刑務所の「Dブロック9号室」という独房番号に由来する。過去の過ちを忘れず、人生をやり直す「更生」のシンボルとして名付けられたものだ。出所後、家族を養うために必死だった同氏は、当初は炊き出しなどで生計を立てていた。転機となったのは、地元で伝統菓子「ゲトゥク」が流行したことだ。しかし、単なる模倣を嫌った同氏は、かつてジャカルタで目にした「二度揚げ」の調理法をヒントに、独自のチーズキャッサバを開発。限られた資金で実験を繰り返し、現在の地位を築き上げた。

同氏の成功は自身の再起に留まらない。かつては静かだった路地には今、同社の生産拠点が立ち並び、揚げたての香ばしい香りが漂う。この事業は多くの地域住民に雇用をもたらし、街全体の経済を支える「キャッサバ帝国」へと成長した。一人の男の執念が、村全体の運命を大きく変えたのである。