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【連載コラム】「会社は好きだが、負担が大きい…」離職防止に向けて見るべき「組織の状態」とは

「手塩にかけて育てた社員や優秀な社員ほど辞めてしまう……」

読者の皆様の組織に関する悩みで最も多い内容は、「育成した社員や優秀な社員の離職を防ぎたい」でした。

時間をかけて育成し、ようやく仕事を任せられるようになった。将来のマネジャー候補として期待していた。そんな社員から突然、退職届が出される。事業への痛手はもちろん、「あれだけ期待していたのに」と、精神的なショックも決して小さくありません。

では、どうすれば優秀な社員の離職は少なくなるのでしょうか。

こうした場面で、多くの企業がまず検討するのが「給与」の見直しです。もちろん、給与は重要です。他社とかけ離れた給与では、人材を引き留めることは難しいでしょう。しかし、給与の見直しだけで解決できないことは多くあります。また、給与に魅力を感じる社員は、会社の選択軸として「給与」が優先され、他社からの高い給与を提示されると、転職しかねないリスクも生じます。

離職の悩みの解決に向けては、まず2つのメガネで組織を見ることが必要です。一つは、その社員を含めた「組織の状態」。もう一つは、その社員自身の「組織に残り続ける理由」というメガネです。今回は一つ目について考えてみましょう。

「会社のことも上司のことも好きだし、仕事自体も楽しい。だけど、チームの協力が得られないから、負担ばかりが大きくなるな……。」

そのような状態が続けば、転職を考えるようになります。しかし、個人の感情や職場内の関係性といった「組織の状態」は、目に見えにくいものです。こうした目に見えにくい組織の状態を捉える一つのモノサシが、「エンゲージメント」です。エンゲージメントとは、企業と個人の相互理解・相思相愛の度合いを表すものです。 職場のエンゲージメントが低いと、良かれと思って改善提案をしても、周囲から共感が得られないため、改善が進みません。また、意欲的に働ける特定の人にばかり仕事が集中し、優秀な人に負担が偏りやすくなります。会社や上司への恩義、理念への共感があっても、これでは「この会社では、やっていけない」と感じてしまうのは無理もありません。 だからこそ、優秀な社員が辞めたとき、その社員だけを見てはいけません。「なぜ給与に不満を持ったのか」「なぜ他社に魅力を感じたのか」と、本人の中で理由を探す前に、その社員が置かれていた組織の状態を捉えること。そのうえで、問題があれば改善策を講じることが大切です。

では、組織の状態さえ良ければ、優秀な社員は残り続けてくれるのでしょうか。実は、それだけでも十分ではありません。次回は、もう一つのメガネとなる「この会社に残り続ける理由」の作り方について考えていきます。

執筆者プロフィール
◎執筆者プロフィール
PT. Link and Motivation Indonesia 代表取締役社長
松木 翔彦
リンクアンドモチベーショングループ入社後、大手企業向けコンサルティングに従事し、クラウド部門の立ち上げに参画。2025年よりタイ拠点マネジャーを務め、2026年よりPT. Link and Motivation Indonesia代表取締役社長に就任。