新型コロナウイルスの流行拡大を受けた景気の減速がインドネシアの労働者を直撃している。労働省が4月7日に明らかにしたところによると、国内の7万4439社の労働者120万人超がこれまでに、自宅待機を命じられるか解雇された。
インドネシア労働組連盟(KSPI)はこうした動きを受け、さらなる解雇に対して懸念を表明した。ジャカルタの労働者だけで現在までに少なくとも16万2416人が解雇されたという。
ジャカルタの靴工場に勤務するジュマリさん(61歳)はこの2週間賃金を受け取っていない。工場が閉鎖され、自宅待機を命じられたからだ。さらに4月の賃金ももらえる見通しがない。
国際労働機関(ILO)の試算では、新型コロナウイルスの流行を受け、全世界の労働時間は2020年第2四半期(4~6月)に6.7%減らされるとみられる。これは全世界で1億9500万人のフルタイムの労働者の労働時間に当たり、ILOは「第2次世界大戦以降で最悪の世界的危機」としている。