ジャルムグループ(1951年創立)
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創始者は丁字たばこで財を成す
ジャルムグループは、中国福建省生まれの華人、オイ・ウィー・グアン(Oei Wie Gwan)が1951年、破産したたばこ会社を買収し、ジャルム(Djarum)タバコを興したのが始まりとされる。オイが丁子たばこが身体の痛みを和らげることを発見したことで、徐々に販路が拡大。短期間のうちにインドネシアでも有名なタバコ銘柄のひとつとなった。1963年に自社たばこ工場を焼失、ほどなくしてオイが亡くなったこともあり、その後事業はふたりの息子、ロバート・ブディ・ハルトノ(Robert Budi Hartono、1940年生まれ)、マイケル・バンバン・ハルトノ(Michael Bambang Hartono、1941年生まれ)が引き継ぎ、現在に至る。
息子ふたりは、たばこ製造技術の近代化と規模拡大に取り組む一方、事業の多角化を目指した。例えば、「ポリトロン(POLYTRON)」という家電の地場ブランドを立ち上げ、テレビや白物家電を製造・販売している。また、不動産事業では、ホテルインドネシアケンピンスキーと、それに隣接するショッピングモールのグランドインドネシアを所有している。
さらに、1998年に起きたアジア通貨危機のあおりで国営化された民間銀行BCAの一部株式を政府から買い取り、いまでは同行の筆頭株主となっている。
近年では、ロバートの息子たち(オイの孫に当たる)がビジネスに携わるようになってきた。長男ビクターがたばこのジャルム、三男アーマンドがBCAの経営にそれぞれ当たっているほか、次男マーティンはベンチャーキャピタルを立ち上げ、インターネットやeコマースの分野に投資している。