アストラ・インターナショナルグループ(1957年創立)
傘下法人・出資先 |
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インドネシアの自動車産業を支配する
会社プロフィール:インドネシアで最も大きい自動車生産・販売会社として名を馳せる。目下、トヨタ、ホンダ、ダイハツ、いすゞといった日系自動車メーカーの生産・販売のパートナーとなっているほか、独BMW、仏プジョーのディーラーも手掛けている。
アストラ・インターナショナルを興したのは、中国南部の広東省からジャワ島に移民した華人を家系とする、1922年西ジャワ生まれのウイリアム・スリヤジャヤ(William Soeryadjaya)で、同氏が1957年に興した貿易商・アストラ社が起源とされる。当時は、農産物や飲料の販売を手がけていた。
スハルト政権の対外開放政策を背景に、1968年に米シボレーの輸入販売権を獲得。そのころトヨタ自動車の販売総代理店にもなった。1971年にはインドネシア国内で自動車生産を行うべく、トヨタと合弁でトヨタアストラモーターを設立した。
自動車関連事業では、四輪車の輸入から組み立てへと業容を広げたほか、バイクや重機、農業関連、さらには金融サービスへとビジネスの拡大を着々と図った。しかし、ウィリアムが長男エドワードに経営を委ねていたスンマ銀行がアジア通貨危機による大量の不良債権を抱え破たん。その救済のために1992年に一族が保有するアストラの株式を手放す憂き目に遭った。
アストラは一時、日本のトヨタのほか、複数の華人企業により保有されていたが、これらの企業が1997年に世界最大級の国際コングロマリットであるジャーディン・マセソン(香港)傘下のジャーディン・サイクル&キャリッジ(シンガポール)に株式を売却、現在は50.1%を保有している。
現在、傘下に212の法人、従業員は218.773人を擁する(同社ウェブによる)。