CTコープ(1987年創立)
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国内きっての富豪が運営 多角化で大財閥に成長
CTコープは、プリプミとしてインドネシアでも屈指の富豪であるハイルル・タンジュン(Chairul Tanjung)氏が1987年に設立した新興財閥。かつてはパラグループ(Para Group)と称していたが、事業の多角化を進める中で2011年12月、社名を現在のCTコープに改名した。CTとは他ならぬ同氏のイニシャルを取ったものだ。タンジュン氏は実業家としての顔だけでなく、2014年には半年ほどの期間だがユドヨノ内閣の調整相(経済担当)として従事したこともある。
タンジュン氏はインドネシアで5本の指に入る大富豪で、2017年現在の資料では総資産が46億米ドルと国内で4位の地位にある。ただ、実家はそれほど裕福ではなく、両親がありとあらゆる所持品を売却した上でインドネシア大学進学のための学費を工面したといわれる。
大学在学中に2人の同級生と共に書籍やTシャツを売る商店を開業。その後あっという間に医療関連器具の販売を手掛けるなど急成長したが、事業拡大を受けて途中で大学を辞めると同時に1987年に当時のイクシム銀行から1億5000万ルピアの資金を借り、新たに子供靴の製造業を始めた。これが現在のCTコープの初期の事業と見なされている。
1995年には経営破たんしたカルマン銀行(Bank Karman)を取得、これを97年にバンク・メガと改名しさらに業容を拡大した。タンジュン氏がインドネシアで名を轟かせたのは、フランス系スーパーマーケットチェーン・カルフール(Carrefour)の国内店舗を完全取得したことだろう。
現在は、金融業「バンク・メガ」、マスコミ関連「トランス・コープ」、天然資源開発「CTグローバルリソーシーズ」の3本の柱を軸に、小売り事業、不動産開発、テーマパークの運営など、極めて広範に多角化を進めている。また2016年には丸紅と包括的戦略提携を結んだ。