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インドネシア財閥13派徹底解剖|Mayapada Group

マヤパダグループ(1986年創立)

創始者:ダト・スリ・タヒル/中国名:アン・チョエン・ミン
中核事業:金融サービス

傘下法人・出資先

  1. 金融サービス
    マヤパダグループの核となっているマヤパダ銀行を経営していて、中小企業向けの融資などに力をいれている。国内での支店の数は100以上に上る。
  2. 小売
    バリやジャカルタなどの有名な観光地にてLVMH社の子会社であるDFSグループの免税店を運営している。
  3. 不動産
    ジャカルタのビジネス街にてマヤパダタワー1やセナトパスタワーなどのビジネスタワーを複数所有している。その他にもバリ島のリゾートホテル経営なども行っている。
  4. 医療
    ジャカルタにて4つの病院を経営している。最近ではマヤパダクリニックも開業し、今後も規模を拡大していく予定である。国内で提携している医療機関は100以上にも及ぶ。
  5. メディア
    Forbes Indonesiaの刊行やGou Ji Ri Baoという中華系の人々をターゲットにした中国語の新聞を刊行している。その他にも有料衛星放送サービス事業のTopas TVの提供をしている。

アパレルからスタートし、金融業、不動産業まで時代を切り開いていく成長止まらぬ財閥企業

マヤパダグループは1986年にダト・スリ・タヒル(Dato Sri Dr Tahir)によって設立されたコングロマリットの新興財閥企業である。事業内容は多岐に渡り、現在は金融業、小売業、メディア業、ホテル・不動産業、病院経営を行っている。

タヒルは1952年にスラバヤにて中華系移民の両親の元に誕生した。父は町に走っている自転車タクシーの製造者業に従事し、母は衣料品店を営んで家計を支えていた。地元のキリスト教系の高校を卒業後、台湾にある医科大学へ進学したが、在学中に父が病に倒れ、学費が払えなくなったことにより、タヒルはやむを得なく大学を中退した。その後、奨学金によりシンガポールのナンヤン工科大学に進学し、卒業後はアメリカのカリフォルニア州最古の私立大学であるゴールデンゲート大学院に進学、修士号を取得した。

タヒルのビジネスの原点はシンガポールの大学在学中に調達したグッズを大学の休暇中に地元のスラバヤに持ち込んで売るという小さな貿易業だった。マヤパダグループの始まりはアパレル産業と自動車販売業であったが、自動車販売業を軌道に乗せることは出来ず、タヒルはほとんどの財産を失う。

その後、会社の立て直しの為に新しい事業としてファッション業界大手であるLVMH社の子会社であるDFSグループとジャカルタやバリ島の空港やモールにあるブランド品の免税店Duty Free Shoppersの業務提携をスタートする。また同時期の1990年に、現在のビジネスの核ともなるマヤパダ銀行を創業し、金融サービスを開始、主には中小企業への融資業務を行っている。現在インドネシア全土に100以上の支店を持つ大手の商業銀行へと成長した。

マヤパダ社のその他の事業として、ジャカルタとシンガポールのビジネス街に所有している6つのオフィスビル、バリ島での大型ショッピングモールやホテル、マヤパダ病院およびマヤパダクリニックの経営がある。また、Forbes Indonesiaの刊行、有料デジタル衛星放送サービスTopas TVの提供など、多岐に渡るモノやサービスを世に提供し続けている。

タヒルには妻のロージーとの間に4人の子供がおり、その4人の子供たちがまた新たなビジネスを生み出し、グループは成長し続けている。