ジャワ島とスマトラ島で展開 インドネシアの重要な長距離移動手段
中核事業:鉄道(旅客、貨物)輸送
インドネシアを統治していたオランダの手により敷かれた鉄道路線をもとにネットワークを広げているPT KAI。最古の路線は1925年に開通したジャカルタ北部の港・タンジュンプリオクと市内のジャティネガラ間に敷かれたもの。今、見る事ができる植民地時代の面影を強く感じる建物のひとつにジャカルタコタの駅舎があります。
現在の路線はジャワ島とスマトラ島に敷かれており、総延長は約5000キロメートル強。ふたつの島にあった路線を1963年にPerusahaan Negara Kereta Api(PNKA=インドネシア国営鉄道会社)として統合した際、ほぼいまの業容になりました。その後何度かの改名を経て、1999年6月に国営の有限会社PT Kereta Api(PT KA)となり、さらに2010年5月に現在の名前に変えられました。従業員数は3万人弱に達します。
PT KAIは、全ての長距離列車の運行を行う一方、国内にある鉄道全線の線路や信号設備などの管理を担っています。また、ジャカルタと周辺地区を結ぶ「PT Kereta Commuter Indonesia(KCI=インドネシア通勤鉄道会社)」と、空港のアクセス列車を走らせている「PT Railink(レーリンク)」は、KAI傘下で列車運行を受け持つ子会社として運営されています。
路線の大多数は日本と同じ軌間(1064ミリ)の狭軌となっており、日本の車両がほぼそのまま使える利点があります。これまでに日本から1000両に及ぶ中古車両が輸入、ジャカルタ首都圏の通勤の足として活躍しています。
なお、ジャカルタ〜バンドン間の高速鉄道は、KAIとの関係のない組織、中国中鉄股份有限公司とインドネシア国営法人とのコンソーシアムが母体となって建設されています。
2019年春開業予定のMRT(ジャカルタ高速鉄道)は、ジャカルタ特別州が出資した組織により運営されているが、遠い将来にKAI(またはKCI)との接続が実現する時に備えて「狭軌」で敷設されました。
ジャカルタ周辺では、通勤列車と長距離列車が同じ線路の上を走行。ダイヤ混乱の元凶となっています。