世界有数のサービスを誇る航空会社に成長
中核事業:航空・運輸
当初は旧宗主国のKLMオランダ航空による諸島間運航(KLM Interinsulair Bedrijf)を引き継ぐ形で開始され、1949年に商業運行を開始するとともに社名を「ガルーダ・インドネシア航空」としました。
1954年3月にはインドネシア政府によって国有化され、1960年代にはヨーロッパやアジアの各地への航路を拡張、1962年には日本就航も開始されました。
1985年には、CEOであったReyn Altin Johannes Lumentaのもとで大胆な改革を実現。ロゴや機体デザイン等を一新し、フライトスケジュール、路線、チケット価格を変更しました。
1990年以降、ホノルル経由でロサンゼルスへのフライト開始とともに北米への就航を開始。しかし1990年代後半から2000年代初めにかけて、二度の事故やアジア通貨危機などにより同社の運営は厳しいものとなり、さらに欧州連合(EU)は2007年6月、インドネシアにある航空会社に対し、安全上の不安があるとして加盟国上空への乗り入れを禁止。これを受け、欧州主要都市への運航を止めざるを得ませんでした。ただこの措置が2009年7月に解かれたのを機に「Quantum Leap」と称する改革を実施、現在使われているロゴや制服に刷新する一方、ネットワークの拡大を通じた利用者の増加を目指し、一定の成功を収めました。
ガルーダは現在、インドネシア政府が株式の60%を保有しています。当初、2008年をめどにインドネシア証取への上場を目指していたが、同年に起きたアジア通貨危機の影響で新規株式公開(IPO)を延期した経緯があります。その後、国営企業省は2009年、ガルーダのIPO実施を通じた民営化への方針を固め、最終的に2011年2月に証取への株式公開を果たしました。
ガルーダは2015年、航空業界の世界的なランキング・Skytraxによる「5スター航空会社」の称号を取得。ちなみに「5スター」は2018年現在、全世界でANA、JALを含む11社しかありません。2019年1月現在、航空同盟「スカイチーム」の一員として、同社は91都市(国内69、国外22)へネットワークを広げている。また、傘下に格安航空(LCC)のシティリンクがあります。
「ガルーダ」とはヒンドゥー教のヴィシュヌ神を乗せ、天空を駆け抜けたと言われる神鳥であり、インドネシアの国章でもあります。機体の垂直尾翼とロゴに描かれ、“安全で快適な空の旅を”との願いが込められています。