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GojekとTokopedia合併へ 思惑一致でライバルに空中戦挑む

インドネシアの大手インターネット企業でありユニコーン企業である「Gojek」と「Tokopedia」の間で合併の話しが進み、近く正式に合意して、年内のインドネシアでの上場、2022年の米国での上場を目指すことが各種報道で明らかになっている。

折からのコロナ禍でステイホーム、リモートワークが新たな潮流となるなかで、「Gojek」も「Tokopedia」も顧客増加により業績は向上するなか、さらなる躍進を合併に求めることになったといえる。

「Gojek」は当初同業ライバルでもある「Grab」との合併を視野に入れていたようだが、インドネシア市場での業務展開などで合意に至らず断念した経緯があると伝えらえている。いずれにしろ競争相手はシンガポールの「Sea Group」である。
 一方の「Tokopedia」は業績向上とはいえシンガポールのプラットフォームである「Shopee」の牙城を崩すには至らず、「モビリティ、フードデリバー、ファイナンス」など幅広い分野を抱えるユニコーン企業である「Gojek」との合併でさらなる飛躍を狙うことになったのだろう。
 要するにこの合併話しにはそれぞれのライバルを凌駕し東南アジアで最大規模を目指すことが目的であるのは疑う余地はない。合併後の社名は「Goto」となるそうだが、気になるのは両社に投資している面々の顔ぶれである。
 「Tokopedia」は株主にソフトバンクやアリババが名前を連ねているほか、「Gojek」にはテンセント・ホールディング、両社にはグーグルやテマセク・ホールディングなども投資している。

「Gojek」のライバルである「Grab」にも投資しているソフトバンクの孫正義氏は確か、ジョコ・ウィドド大統領が進めるインドネシアの首都移転構想への投資も表明していたはずであり、なぜかインドネシアへの思い入れが強いような気がする。

またアリババは中国共産党から独占禁止法違反で巨額罰金を受けるなど目を付けられており、アリババが保有する巨大なデータは中国には垂涎の的であるのは間違いないだろう。

こうした背後に蠢く外国株主、投資企業が「Goto」を通じて地道な地上戦ではなく、一気に勝負を賭けるいわば「空中戦」を仕掛けているとの見方が強まっており、インドネシアがその主戦場になろうとしている。