「エレクトロニック・スポーツ」の略であるeスポーツが、国内で若者を中心に人気が高まっている。また産業としてのポテンシャルも大きく、いくつかの企業が参入を始めている。
東南アジア有数のeスポーツ組織で、ジャカルタに拠点を置くEVOS Esportsによると、2021年時点、東南アジアには2億7450万人のeスポーツプレーヤーがいる。そのうち、インドネシアは43%を占め、約30兆ルピアの利益をあげている。このプレーヤー人口の多さと利益の大きさは、インドネシアのeスポーツ産業がかなり大きなポテンシャルを持っていることの証である。
eスポーツは特に若い世代から人気で、eスポーツファンのうち、18歳以下が58%、19~29歳が41%を占めるという。このことに着目したのが電子取引事業を展開するVisaインドネシアで、これらの若い世代に対応するための取り組みにおいて、eスポーツは重要な役割を担っていると認識し、EVOS Esportsなどの主要なeスポーツ組織と協力を始めた。
またeスポーツファンの39%が、ゲーム内で課金をしているということに注目したのがマンディリ銀行。1回あたり約10万ルピアの取引を、ひと月に平均1~3回行っている人が多く、全体の取引数が多い。その反面、銀行を通しての取引数は、他のチャネルを介した場合と比較して少ない。これをチャンスと捉え、マンディリ銀行はメンバー証およびデビットカードの機能をもつ「EVOS Esportsカード」の発行を決めた。
Visaやマンディリ銀行が協力相手としてEVOS Esportsを選んだことは、eスポーツ産業に対する期待の現れであると言える。