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ASEANを巡る米中の綱引き 米国務長官の訪問を読み解く

12月13日から米ブリンケン国務長官がジャカルタを訪問し、ジョコ・ウィドド大統領やルトノ・マルスディ外相と会談した。

その後同国務長官はマレーシアを経てタイとアジア歴訪に向かったがタイ訪問は直前に同行者がコロナ検査で陽性となったため、中断した、との報道があった。同行者の感染がインドネシアだったのかマレーシアだったのかは不明だ。

この時期の米政府要人のインドネシア訪問にはいくつか注目すべき点がある。インドネシアは2022年10月に開催されるG20サミットの東南アジアで初のホスト国を務めること、さらに2022年後半から東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国となることなど今後の国際外交でインドネシアが重要な役割を担うことがまず指摘できる。

そして忘れてはならないのはインドネシアをはじめASEAN各国は現在中国の影響力拡大の中で米に代表される西側との間で「どう立ち回るか」が注目され、双方の綱引きの現場となっていることがある。

米イの会談ではコロナ感染防止策でのさらなる支援やインフラ整備への協力、貿易投資の拡大など幅広い分野について協議され、「戦略的パートナー」であることを再確認した。

しかし今回の訪問の最も重要なテーマは「安全保障問題」であることは間違いない。中国が一方的に海洋権益を主張している南シナ海ではASEANの複数国と領有権で対立しているが、同海域は米と日本を含むその同盟国である英豪インドなどにとって「航行と飛行の自由を保障する“自由で開かれたインド太平洋”」の海域と重複し、「波高し」の状況が続いている。

しかしインドネシアなどは実のところ「米にも中国にもいい顔」をしてどちらからも得られるものはきちんと得て、しかし決定的な言質や確約は与えず、という「東南アジア流」の対応で大国の間をうまく「遊弋」しているのが実情なのだ。米中ともにそれは百も承知の上で一方に傾くのを懸命に防ごうとしている、という一種の外交ゲームが展開されているといえる。

その米中などが顔を揃えるのがG20サミットだけに、ホスト国インドネシアの役割、立場は極めて重要で会議の成否に関わってくる。それだけに米中が必死に「あの手この手の甘言」を搦め手から繰り出しているのだ。一体外交巧者なのは米中なのかインドネシアなどの東南アジアなのか、どちらなのだろう。

執筆:大塚 智彦
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞シンガポール支局長などを経て2016年からフリーに。
月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などにインドネシアや東南アジア情勢を執筆。ジャカルタ在住。
※本コラムは筆者の個人的見解を示すものであり、PT KiuPlat Media社の公式見解を反映しているものではありません。





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