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どうなる2024年の次期大統領選 世論調査にみる主な顔ぶれと予想

最近の2024年の次期大統領選に関係するいくつかの報道、世論調査結果、政界裏情報などから現状と今後を大胆に予想してみる。

インドネシア在留日本人も関心が深いと予想するからだが、断っておくが政治は「一寸先は闇」であり「なんでもあり」のインドネシアであり予想が外れても責任はもたない。

1月17日に調査機関LSIが明らかにした世論調査結果によると次期大統領候補の人気1位は「ゴルカル党」党首のアイルランガ・ハルタルト経済調整相で19,2%、次いで「闘争民主党(PDIP)」のガンジャル・プラノウォ中部ジャワ州知事で14,3%、「グリンドラ党のプラボウォ・スビアント国防相が11,7%で続いている。またイスラム国際戦略研究センター(CSIIS)がイスラム教団体「ナフダトール・ウラマ(NU)」内部で実施のアンケートでプラボウォ国防相、ガンジャル知事、エリック・トヒル国営企業相の名が挙がったという。

これまでの各種世論調査やマスコミの予想報道などを総合すると、すでに名前が取り沙汰されている次期大統領候補者は上記に加えてリドワン・カミル西ジャワ州知事、ジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン州知事、PDIPメガワティ党首の長女プアン・マハラニ国会議長、サンディアガ・ウノ観光創造経済相などとなっている。

スハルト長期独裁政権を支えた「ゴルカル」を引き継いだ「ゴルカル党」はスシロ・バンバン・ユドヨノ政権、ジョコ・ウィドド大統領1期目政権にユスフ・カラ副大統領を送り込んだが、ハビビ大統領以降大統領を担っていない。このため何としても次期大統領をと虎視眈々と戦略を練っている。

対する最大与党PDIPはメガワティ党首が推すプアン議長は党内からも不安視する声が出ており、ガンジャル知事を担ぎたいところだが、党首以下スカルノ一族の反発が強く、同知事はSNSなどでの活動を抑制している。このため今後の展開次第ではプアン派、ガンジャル派による党分裂も予想されている。

人気の高いプラボウォ国防相には現内閣の軍出身閣僚の支持があるとされるが、軍人時代の人権弾圧などの負のイメージ払拭とペアを組む副大統領候補次第との見方がある。プアン議長をベア相手にするとの観測も。そうなるとガンジャル知事はスリ・ムルヤニ財務相とのペアも予想されている。また展開次第ではバスキ・チャハヤ・プルナマ(アホック)前ジャカルタ知事の擁立もありうる状況だ。

執筆:大塚 智彦
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞シンガポール支局長などを経て2016年からフリーに。
月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などにインドネシアや東南アジア情勢を執筆。ジャカルタ在住。
※本コラムは筆者の個人的見解を示すものであり、PT KiuPlat Media社の公式見解を反映しているものではありません。