コモドオオトカゲが生息するコモド国立公園への入場料引き上げをめぐり、連日議論が続いている。観光労働者が起こした抗議活動に対する警察の対応に非難が集まる中、ついに政府は料金引き上げを2023年1月1日へ延長した。
コモド国立公園に指定されている「コモド島」や「パダール島」は、コモドオオトカゲや写真映えする景色が有名な人気観光地である。観光客が増加する一方、環境保全の重要性も高まり、政府は訪問者数を制限するために8月1日より入場料の引き上げを行った。
従来の入場料は外国人の場合で20万ルピア。新料金はその25倍となる375万ルピアで、コモド島とパダール島に適用された。また、コモドオオトカゲが生息するもうひとつの島である「リンチャ島」は従来料金を維持し、観光活動を推進する方針であった。
8月1日に新料金が導入されると、政府の方針に反対する観光労働者らが1ヵ月のストライキを開始した。料金引き上げへの反対だけでなく、リンチャ島を大規模な観光地とすることはリンチャ島の環境が損なわれるとも主張した。
抗議活動はコモド空港でも行われた。このとき警察は、3人の抗議者を拘束し、そのうちひとりを治安と公共の秩序を乱した容疑者として逮捕した。活動家らはこの警察の対応を非難し、これは政府が抗議活動を弾圧しているということを示していると主張した。
労働者によるストライキは3日に打ち切られた。その後政府は、観光業者、地元住民、活動家からの抗議が相次いでいることを理由に、料金の引き上げ時期の延期を発表した。
料金引き上げは延期されたものの、実際に8月1日以降、観光客の旅行キャンセルが相次いでいるといい、地元住民の間では依然として議論の的となっている。