11月20日に始まった「2022年FIFAワールドカップ カタール大会」は、インドネシアでも大いに盛り上がりをみせている。その興奮の裏側で、公式試合球のレプリカモデルを製造する3ヵ国のひとつが、インドネシアであることが判明した。
公式試合球は長年、ドイツを拠点に世界中で親しまれているアディダスが担当してきた。今大会の公式試合球はアラビア語で「旅」を意味する「AL Rihla(アル・リフラ)」と名付けられ、デザインはカタールの国旗・文化・建築物から着想を得たものとなっている。レプリカモデルは主にお土産用などで販売される。
インドネシアでは当初、レプリカモデルではなく試合球が生産されているという話が広がった。報道によると、外務省が11月中旬に公式サイトで、試合球はインドネシア製だと発表したといわれている。
しかしその後、11月30日にアディダスのメディアリレーションシップ部門のスティファンディレクターが「試合で使用されているボールは中国とパキスタンで作られている」と情報を訂正した。同時に「アル・リフラのレプリカは3ヵ国で作られており、中国、パキスタン、インドネシアだ」と発表した。
レプリカモデルを製造しているのは東ジャワ州マディウムにあるグローバル・ウェイ・インドネシアである。同社はアディダスの他、プーマやミズノなどの有名スポーツウェアの生産も行っている。東ジャワ州知事が先日、工場を視察した際にSNSに投稿した写真には、アル・リフラデザインのボールひとつひとつを真剣に扱う作業員の姿が映っている。インドネシア製のボールがワールドカップの試合で活躍する日も遠くないかもしれない。