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大手通信事業者、基地局タワーの売却がほぼ終了

過去5年間、インドネシアの大手通信事業者は基地局となるタワーの売却を進めてきた。この背景には、物理的なインフラの管理は専門の企業に任せ、自社では顧客サービスに集中して他社と差別化を図りたいという戦略がある。そしてこのほど、国内2番手の通信事業者であるインドサット・オーレドゥ・ハチソン(IOH)が997本のタワーを売却すると発表したが、この取引が同分野での最後の主要取引となる可能性が高い。

IOHの発表によると、2月15日に国営通信テレコムグループの子会社であるダヤミトラ・テレコムニカシ(ミトラテル)と、997本のタワーを売却する契約を締結した。売却額は1兆6500億ルピア(1億880万米ドル)で、タワー1本あたりの平均価格は16億5000ルピアとなる。また、IOHは今回売却するタワーのうち983本をミトラテルから10年間、年間1386億ルピアでリースバックする。

2014年以降、国内最大手のテレコムセルや、3番手のXLアクシアタといった大手通信事業者も、物理的なインフラ施設の管理を専門とする企業に数千のタワーを売却してきた。今回のIOHの動きが加わり、大手通信事業者は所有していたタワーのほとんどを売却したとみられており、今後はタワーの売却&リースバックの取引数は鈍化する見込みである。

業界として、タワーの売却により利益を得るフェーズはほぼ終わりを向かえ、各事業者は獲得した資金をもとに顧客増加のためのコアサービス強化に注力していくことになる。

インドネシアでは、ビデオストリーミング、ソーシャルメディア、電子決済、eコマース、オンラインゲームなどにアクセスするために歩き回る人が未だに存在する。したがって、通信事業者は人々の日常的なニーズに対応するために、4Gや5Gを含むシームレスな接続性を提供することが求められる。