電車が通過する線路際ギリギリの場所で営業しているカフェといえば、ハノイの「トレインストリート」が有名。その迫力に、ハノイを代表する観光地として世界的に知られるようになったが、安全上の理由から政府より封鎖されたり、一部営業再開したりといった状況が繰り返されてきた。手を伸ばせば走り抜ける電車に触れられるスリルには、鉄道ファンならずとも惹きつけられる。
まだ知る人こそ少ないものの、そんなカフェが実はインドネシアにもある。東ジャワ州マラン市ブリンビングにある「セラック・コピ(Selak Kopi)」は、数ヶ月前にオープンした小さなカフェ。飾り気のない素朴な外観には、訪れる誰もが懐かしさを感じる。道路に面した入り口側には大きく開いた窓があり、コーヒーを淹れる音と香りが通りに広がる。
木製パレットを重ねた2つのテーブル席とキッチンしかない店内を通り抜けると、線路に面したテラス席がある。このテラス席では時間帯によって目の前を列車が通過する迫力の瞬間を、コーヒーを片手に楽しむことができる。メニューにはカプチーノ、シナモンラテ、レモネードなどのドリンクの他、軽食もある。営業時間は午前10時から24時まで。当然のことながら、通過する電車に近づきすぎるなどの行為は大変危険。利用客のマナーが求められる。