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肥満率が20%超 2030年までに3%未満目指す

インドネシア政府は、現状は推定21%程度である全国の肥満率を、2030年までに3%未満まで低下させる目標を掲げている。そのために、子どもの栄養に関する教育や、糖質・脂質・塩分の多い加工食品への監視の強化に取り組む意向である。

保健省によると、インドネシアの肥満率は2013年に15.3%であったが、5年後の2018年には21.8%まで上昇した。最新の国民健康調査は今年8月に実施が予定されているが、ダンテ副保健相は現状は21%程度だろうと推定している。

2030年までに肥満率3%を達成するための政府の取り組みのひとつに、地域の保健センター(プスクスマス)や学校における子どもの栄養教育の実施がある。この取り組みは肥満率や糖尿病を抑制するだけでなく、長年の課題である発育不良を改善することも目的としている。発育不良は2022年末時点でインドネシアの5歳未満の子どもの21%に確認されており、主に幼児期の慢性的な栄養不足が身長や健康面の成育に悪影響を及ぼす。肥満率と発育不良の双方の改善のため、健康な食生活に関する教育を人々へ実施している。

また、保健省のもう一つの取り組みとして、糖質・脂質・塩分の多い加工食品への物品税の導入がある。甘味飲料への課税は、2023年の国家予算に盛り込むことを財務省および国会が合意したにも関わらず、調整に時間を要し計画が頓挫している現状である。

課税のほかにも、医薬品・食品監督庁(BPOM)は加工食品のパッケージに栄養成分を記載するよう生産会社に要請し、その監視を行っている。ただし、屋台などで製造・販売されている食べ物やお菓子を管轄するのは地方自治体であり、地方機関にも国民の肥満率を抑制する責任があると主張している。

肥満率の大幅な低減は、あらゆる機関の取り組みの末に、国民ひとりひとりの意識が変化し行動が変わった結果もたらされるものであり、根気強く進める必要がありそうだ。