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プロウスリブの天国の島、カヤンガン島に今も残る悲しい過去の爪痕

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カヤンガン(Kayangan)はインドネシア語で「天国」の意。何百もの島から成るジャカルタの人気リゾート地プロウスリブには、チピル島、またはカヤンガン島と呼ばれる小さな島がある。この島には美しい名前からは想像し難い暗い過去がある。

チピル島、ケロル島、オンルスト島は、ジャカルタを起点に半日で巡ることのできる近郊の島々で、オランダ占領時代の遺跡が数多く残る。チピル島はオンルスト島と同様1911年から1933年にかけて、船で移動していたメッカ巡礼者の検疫施設として使用されており、島内には今も病院や伝染病隔離施設の跡が残っている。

地元ガイドのロサドさんは「当時は感染症であるレプトスピラ症が蔓延していたので、メッカから戻った巡礼者も船長も全員、まずはシピル島で降ろされ、オランダ人によって消毒剤の一種を浴びせられました。持ち物はすべて病院が保管。巡礼者は病院が用意した服に着替え、医師の診察を受けました。シピル病院には手術室や病室も完備されており、感染者はここで2週間治療を受けましたが、治療費が支払えない場合は強制労働をさせられます。感染していなかった人はオンルスト島に送られ、そこで5日間隔離されていました。いうなればオンルストは刑務所であり、シピルは処刑場だったのです」と説明してくれた。