タイ、マレーシア、スマトラ島などに分布し、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストカテゴリーで絶滅危惧種Ⅱ類(絶滅の危機が増大している種)に指定されているスマトラカモシカがこのほど、ランブン州バトゥテギの森林地帯に設置された隠しカメラで確認された。
カメラを設置したのは、インドネシアの野生動物の保護、保全に携わる非営利団体。団体のシニア・マネジャーであるロビトゥル・フダ氏によると、スマトラカモシカは標高200~300メートルの森林地帯や崖に生息し、一見したところヤギに似ているが、全身が黒に近い濃い灰色の毛で覆われ、鼻は牛に、角はカモシカに似ている。ロビトゥル氏は、「森林面積の減少や、食肉や角を目的とした密猟が、スマトラカモシカの保全を脅かしているが、スマトラカモシカが撮影されたことは、森林の健全性と安全性がまだ十分に維持されていることを示す指標になる。」と評価した。