「世界最大の直接選挙」とも呼ばれるインドネシア大統領選挙の投票日が、今月14日に迫ってきました。
今もなお76%もの支持率を維持しているジョコ大統領の後を誰が継ぐのか、世界中から注目が集まっています。
今回は、「何となくSNSなどで見聞きしているけれど、選挙の日程や各候補者の公約などはよく知らない…」という方向けに、大統領選挙2024をざっくり図解します!
大統領選 候補者リスト
アニス=ムハイミン ペア
大統領候補 | 副大統領候補 |
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アニス・バスウェダン | ムハイミン・イスカンダル |
・前ジャカルタ州知事・無所属 ・上智大学で短期学習経験あり |
・国民覚醒党(PKB)党首 ・2023年に公明党の山口代表と会談 |
支持層 :イスラム的に敬虔な層から支持 擁立政党:変化連合(ナスデム党など3政党、国会議席の29.0%) |
公 約
プラボウォ=ギブラン ペア
大統領候補 | 副大統領候補 |
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プラボウォ・スビアント | ギブラン・ラカブミン |
・国防省、グリンドラ党党首(与党) ・政党連合「先進インドネシア連合(KIM)」が擁立 ・甥が2014-2019年までインドネシア日本国会議員連盟の会長 |
・中部ジャワ州スラカルタ(ソロ)市長 ・現大統領ジョコ氏の長男 ・好きなアニメは「鬼滅の刃」と回答 |
支持層 :知名度の高さ、ジョコ大統領の実質的支持 擁立政党:インドネシア前身連合(グリンドラ党など9政党、国会議席の45.4%) |
公 約
インドネシアの発展
・すべての学童に無料の昼食と牛乳を提供
・公務員の給料引き上げ
・結核の予防と病院の建設
・食料やエネルギーの自給自足を目指す
・軍と警察の強化
・すべての学童に無料の昼食と牛乳を提供
・公務員の給料引き上げ
・結核の予防と病院の建設
・食料やエネルギーの自給自足を目指す
・軍と警察の強化
▶︎▶︎ジョコ大統領の政策を継承
ガンジャル=マフッド ペア
大統領候補 | 副大統領候補 |
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大統領候補 | 副大統領候補 |
ガンジャル・プラノウォ | モハンマド・マフッド |
・前中部ジャワ州知事 ・闘争民主党(PDIP)党員(与党、最大) ・夫人が政策研究大学院大学修士課程に1年間留学 |
・政治・法務・治安調整相 ・2014年に日本政府の招聘で訪日 |
支持層 :中部ジャワ・東ジャワの大票田から支持 擁立政党:連合名未定(闘争民主党など4政党、国家議席の25.6%) |
公 約
経済成長と海洋開発
・新規雇用創出
・地域保健センターで医療を無償提供
・海上輸送の質向上
・教育の無償化
・造船業と漁業を強化
・新規雇用創出
・地域保健センターで医療を無償提供
・海上輸送の質向上
・教育の無償化
・造船業と漁業を強化
▶︎▶︎ジョコ大統領の政策を継承
大統領選 基本のキ
・大統領の任期は5年
・再選は1回
・国民の直接選挙で選出
日程
2023年10月19日~10月25日 | 大統領選の立候補受付 |
2023年11月28日~2024年2月10日 | 選挙運動期間 |
2024年2月14日 | 大統領選の投票日 |
2024年6月26日 | 決選投票(必要に応じて) |
2024年10月20日 | 新正副大統領 就任 |
歴代大統領
初代大統領
スカルノ
スカルノ
1945-1966 無所属
インドネシア独立を宣言
第2代大統領
スハルト
スハルト
1967-1998 ゴルカル
長期にわたる独裁政権を樹立
第3代大統領
ハビビ
ハビビ
1998-1999 ゴルカル
政治改革の推進
第4代大統領
アブドゥラフマン・
ワヒド
アブドゥラフマン・
ワヒド
1999-2001 国民覚醒党
多元主義と民主化の促進
第5代大統領
メガワティ・
スカルノプトリ
メガワティ・
スカルノプトリ
2001-2004 闘争民主党
インドネシア初の女性大統領
第6代大統領
スシロ・バンバン・
ユドヨノ
スシロ・バンバン・
ユドヨノ
2004-2014 民主党
インドネシア民主党リーダー
第7代大統領
ジョコ・ウィドド
ジョコ・ウィドド
2014-2024(予定)
闘争民主党
経済発展と改革を推進
マメ知識
決選投票
総選挙法2017年第7号の規定では、
①選挙で50%以上の票を獲得
②半分以上の州で最低20%の票を獲得
の2つが当選の条件とされている。
この条件を満たす候補者の組がいない場合、得票数第一位と第二位の候補者の組による決選投票が行われる。
憲法裁判所の年齢制限緩和判断
総選挙法では正副大統領候補の年齢を40歳以上に制限しているが、2023年10月に「地方自治体トップを務めた経験があれば、40歳未満でも出馬資格がある」との判断を憲法裁判所が示した。
これは、未だ40歳未満で、ジョコ大統領の長男であるギブラン氏の副大統領候補としての出馬に道筋をつけた「お手盛り判決」との見方も多い。
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参考:Komisi Pemilihan umum, www.jpnn.com 他
・公共サービスの拡充
・教育と健康の質の向上
・首都移転反対
・女性の権利保護
・新規雇用創出
▶︎▶︎ジョコ大統領の政策から脱皮を目指す