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マジャパヒト王国時代から愛されてきた伝統料理ナシ・クニンの歴史

(c) kompas.com

ナシ・クニン(イエローライス)はジャワ島で生まれ、のちにインドネシアの全土に広まった伝統料理。その起源はマジャパヒト王国時代にさかのぼる。当初は特別な日、地位の高い人々のための料理であったが、後に伝統行事、宗教行事、結婚式などの特別な場面で供されるようになった。

ナシ・クニンの鮮やかな黄色は、ターメリックの自然な色。ターメリックの他にもパンダンリーフ、レモングラス、ライムリーフなどを使用し、米に鮮やかな色と豊かな風味を加える。黄色は繁栄と喜びを象徴する色で、ジャワ島のヒンズー教徒たちは、長きにわたり山の神々にナシ・クニンを中央に盛ったナシ・トゥンペンを捧げ、感謝の意を表し、安全を祈願してきた。ナシ・トゥンペンの風習はイスラム教拡大後も続いた。

大切な行事や祝いの席でよく使われてきたため、ナシ・クニンと聞くとナシ・トゥンペンのように円すい形に盛られたものを想像する方が多いだろうが、近年では朝食のメニューとして、アヤムゴレン(鶏肉)、卵、豆、テンペなどのおかずと一緒に普通のご飯のように食べられることもある。また郷土料理に華を添えるためにナシ・クニンが使われることも多い。バンジャールではハバン(赤唐辛子で作るスパイス)で調理した卵や鶏肉と一緒に、マナドではスパイシーな魚と一緒に食されている。