インドネシアの主要観光地であるバリ島の北部に新空港を建設する計画が政府主導で進められているが、過剰観光への懸念が高まっている。11月3日、プラボウォ大統領はデンパサールを訪れ、北部のブレレン県に新しい空港を建設し、バリ州を新たなシンガポールや香港に変えるとの意向を表明した。これに対し、バリ州観光局のチョック局長は、観光の分散と南部の渋滞緩和の効果が期待されると賛同している。
新空港計画は2016年に提案されたが、2022年にはジョコ・ウィドド前大統領が政治的な支持が不足していたため国家戦略プロジェクトリスト(PSN)から削除した。メガワティ元大統領らは、地域住民の排除リスクや観光業者のみが利益を享受する可能性を懸念し、空港計画に反対している。また、バリの文化遺産の保護を優先すべきとの声も強く、地域代表者や学者らは環境負荷を考慮した持続可能な観光開発の重要性を訴えている。