インドネシアの国営航空会社ガルーダ・インドネシアは、11月15日に開催された臨時株主総会で、新たなCEOとしてインドネシア最大の民間航空会社ライオン航空の幹部であるワミルダン・ツァニ・パンジャイタン氏を任命した。
同氏は、1981年パプア州ジャヤウィジャヤ県ワメナで生まれ、高校卒業後は空軍士官大学へ進学した。2003年にインドネシア国軍の海上哨戒機の操縦士としてキャリアを開始し、ジョグジャカルタの航空学校で教官を務める傍ら、海外での国際研修に多く参加した。2013年に安全、セキュリティー、品質担当ディレクターとしてバティック航空に入社し、サービスの品質向上と航空安全基準の改善に成功。2023年からライオン航空の社長代行を務めた。
新CEOとしてワミルダン氏は、財務・運営の全面的な見直し、事業加速、国内外のネットワーク拡大を掲げ、サービスの向上と経費削減に取り組むと表明。2025年には航空機の調達と路線拡大を計画し、効率化を図りつつ市場機会を捉える方針だ。
ガルーダは過去の国際路線縮小と債務再編により、現在保有機数は69機に減少。国内市場シェアも30~40%に低下しており、ライオン航空の58%を下回る状況だ。ガルーダの再建を担う新体制のもと、国内外での競争力回復が期待されている。