アジア太平洋地域の航空需要は回復したものの、航空会社は供給網の混乱により運航に支障をきたしている。部品や労働力、新型機の不足に加え、次世代エンジンの予想外の修理需要増加が問題を悪化させている。エンジン整備の遅延により、航空会社は運航スケジュールの見直しや代替エンジンのリースを余儀なくされている。
タイ航空CEOのチャイ氏によれば、エンジン整備に要する時間が3カ月から6カ月に延びたため、航空機稼働時間を延長して対応している。シンガポール航空やマレーシア航空など各社の代表は、この遅延に対する乗客の不満が航空会社に向けられている現状に不満を表している。
一部の国では航空会社に対する消費者保護規制を強化しており、運航遅延やキャンセル時の返金を義務付けているが、航空業界は根本原因が供給網にあると主張している。アジア太平洋地域の旅客数は2019年比で97.5%に回復したが、航空運賃は需要減少と競争激化により下落傾向にある。