独自の文化、地域社会、バティックの伝統を今も守り続ける「チブル・バティック村」は、訪れる人に近代化が進む市内の騒がしさを忘れさせる、ボゴールの隠された宝石。同教育観光村においてバティックは地域の遺産、アイデンティティーであり、男女平等と経済的自立を支援する創造的な手段、未来への希望でもある。同村で生産されるバティックは、伝統を守る職人たちの献身、挑戦、創造性、その多くを私たちに教えてくれる。村に入るとバティック模様の壁画に出迎えられる。村には5つのバティック製作所があり、各々に独自の着色技法と哲学がある。
そのうちのひとつ、村の中心部から少し離れた場所にあり、周囲の自然環境と調和したシンプルでクラシックな木造建築が美しいBumiku製作所は、天然染料で作るバティックで知られる。建物内に入るとまず目に入るのは、丸テーブルの上に並ぶ財布、キーホルダー、ヘアゴム、ハンドバッグ、人形などのバティック模様の工芸品。部屋の奥では木の棒に掛けられたさまざまな色と模様のバティック布が風に吹かれて優しく揺れている。乾燥段階にある未完成のバティックを見学したり、ケバヤ、ドレス、スカート、ズボンなどの完成品を試着購入したりできる。同村ではバティックのワークショップ、起業家育成トレーニングなども開催されている。