摩天楼がそびえ立つジャカルタ には、近代的な喧騒とは対照的に、時代を超えて愛される「涼」の歴史が息づいている。特に老舗のアイスクリーム店は、インドネシア独立前からのレシピを守り続ける、まさに生きた文化遺産だ。
1932年創業の「Ragusa Es Italia」は、市内で最も古い歴史を持つ。スパゲッティ状に絞り出された独創的なアイスは、今も訪れる人々を驚かせる名物である。また、1951年創業の「Toko Tjan Njan」は、初代大統領Soekarnoがこよな愛した店として知られ、伝統的なココナッツ(Kopyor)の風味が特徴のアイスが提供されており、一口味わうごとに当時の記憶が鮮やかに呼び覚まされる。
国民的デザートの元祖とされる「Es Teler Sari Mulia Asli」や、1939年から無添加の製法を貫く「Es Krim Baltic」、そして パサールバルで銀の器に盛られた濃厚なアイスを提供する「Es Krim Tropic」。これら5つの名店が刻んできた時間は、単なるスイーツの枠を超え、街の記憶そのものとなっている。
ノスタルジックな店内で味わう冷たい一口は、都会の喧騒を忘れさせ、私たちを優雅な時代へと誘う至福のひとときとなるであろう。




















