観光客を惹きつける大きな魅力のひとつが「食」である。スマトラ・バラットも例外ではない。同地を代表する郷土料理「ルンダン」は、CNNによって「世界で最も美味しい食べ物」に選ばれたことでも広く知られている。ルンダンといえば牛肉の煮込み料理というイメージが強いが、実は現地の豊かな自然資源を生かした多様なバリエーションが存在する。
そんな多種多様なルンダンが集結する場所が、スマトラ・バラットのコタ・パヤクンブにある「カンプン・ルンダン」である。同市は2018年に「ザ・シティ・オブ・ルンダン」という新たなスローガンを掲げ、食産業の振興と観光客誘致に力を入れている。カンプン・ルンダンでは定番の牛肉だけでなく、卵、牛肺、鶏肉、マグロ、キノコなど、ユニークな具材を使ったルンダンを楽しむことができる。
アンダラス大学の人類学者であるイェヴィタ氏によれば、ルンダンはミナンカバウのあらゆる地域で作られているが、中でもパヤクンブは中小零細企業によるルンダン生産の活性化に特化しているという。この取り組みは旅行者にルンダンの魅力を伝えるだけでなく、地元の経済発展にも大きく貢献しているのである。伝統の知恵を活かした食ビジネスが地元経済を潤す、地域おこしの素晴らしい事例である。
もうひとネタ!
ルンダンは水分が少なく長持ちするため、元々は出稼ぎに行く人々の保存食として発達した歴史がある。


















