世界が直面する課題が複雑化する中、民間企業の間でもSDGsや社会課題解決を経営戦略に取り込む動きが広がっています。JICAが民間企業の途上国進出を資金・ノウハウ両面でサポートする「JICA Biz(中小企業・SDGsビジネス支援事業)」。これまでにインドネシアで180案件余りの採択実績を持つ本事業の魅力と、求める企業像について、JICAインドネシア事務所の竹田所長に話を伺いました。
インタビュー本文
単独進出にはない、JICAだからこそ提供できる「圧倒的な信頼資産」
―― 一般的な海外進出サポートと比べた、JICA Bizならではの最大の強みは何でしょうか。
一番は、JICAが長年の政府開発援助(ODA)を通じて築き上げてきた、現地の政府機関や自治体、業界団体との「信頼とネットワーク」です。一般的に日本企業様、特に中小企業様が単独で途上国の新しいセクターへ進出したり、省庁と交渉したりするのは容易ではありません。しかし、「JICAの事業である」ということでビジネスの信用度を押し上げる効果があると考えています。実際に多くの採択企業様からは現地の公的機関等とのコミュニケーションが円滑になったとの声を頂いております。
現在、インドネシアの省庁・機関に約40名のJICA専門家を派遣しており、投資環境や各分野の最新情報をタイムリーに把握できる利便性もあります。また、大使館やジェトロ(JETRO)とも緊密に協業しており、日本政府関係機関が一丸となってサポートする体制が、ここインドネシアでは特に強固です。これに加えてJICAは民間企業やスタートアップ、自治体、NGO、学術機関など、あらゆる多様なプレイヤーと対話を図る「共創」の取り組みにより社会課題の解決を目指しています。
日本企業の優れた製品・技術・サービス・ノウハウを活用した海外展開。スタートアップも歓迎
――インドネシアでは、どのような分野にニーズがありますか。
インドネシアには社会課題が山積しており、様々な分野にニーズがあると言えます。これまでで採択が多いのは、廃棄物管理や水処理といった「都市環境」、「農業」、「防災」の分野です。日本企業様の有する優れた技術との相性が非常に良いですね。近年は、革新的なアイデアを持つスタートアップ企業からの応募も急増しています。
「まだ海外進出の具体的なプランが固まっていない」という段階でも、要件を満たしていれば大企業から創業間もない企業まで応募可能です。市場や顧客ニーズを検証する「ニーズ確認調査」と、事業計画の精度を上げる「ビジネス化実証事業」の2つのメニューで伴走します。応募前の相談も大歓迎です。過去の調査報告書を共有したり、日々の業務を通じて得た情報を共有したりと、私たちのような在外事務所や日本国内15か所の国内拠点はいつでも門戸を開いています。
採択を勝ち取るプロポーザル(提案書)の鍵、そして未来のパートナーへ
――選考において、どのような点を重視されていますか。
自社の技術やサービスの独自性に加え、現地の具体的なニーズと課題解決への道筋がロジカルに説明されているかが大切です。さらに、現地のパートナー候補が視野に入っているなど、持続的なビジネス化に向けた「経営層の強いコミットメント」を重視しています。過去の調査結果はウェブサイトに公開されていますので、そちらをご参照いただくと、提案の精度がより上がるはずです。 すでにインドネシアに進出されている企業の皆様は、日々のビジネスや生活を通じて「もっとこうなればいいのに」と感じる瞬間があると思います。経営者の皆様が普段感じている課題こそが、社会課題解決の大きなヒントです。 JICAは社会課題解決と途上国のイノベーションを促進し、日本と途上国間で革新的なソリューションが環流する社会の実現を目指しています。
JICA Bizを通じて、海外ビジネスチャンスを広げ、現地の課題を解決し、SDGsにも貢献する――。そんな「三方良し」の未来を、ぜひ私たちJICAと共に切り拓きましょう。皆様のご応募を心よりお待ちしています。
応募検討企業様向けZoom研修(申込締切:7月3日(金)15時)
Day1 発見編「途上国ビジネスの魅力・実態とリスクへの考え方」
2026年7月6日(月) 13:00~17:00
Day2 理解編「応募に向けた事前準備とJICA Bizの活用事例」
2026年7月8日(水) 13:00~17:00
Day3 応用編「途上国ビジネスの立案と企画書の作成」
2026年7月10日(金)13:00~17:00
事例紹介
◆北海道ポラコン株式会社 × バリ島小学校
- 高い浸透・集水性能マスの設置・実証
- 洪水・浸水被害の軽減
◆兼松エンジニアリング株式会社 × 下水道公社
- 強力吸引作業車と高圧洗浄車の実証
- 効率的な下水道維持管理・コストの削減
2026年度JICA-Biz(中小企業・SDGsビジネス支援事業)の公示期間
2026年度JICA-Biz(中小企業・SDGsビジネス支援事業)の公示期間は9月1日(火曜)。応募提出締め切りは、9月30日(水)正午(日本時間)となります!
中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)についてはJICAインドネシア事務所までお気軽にご相談ください
| 事前コンサルテーション |
最寄りのJICA国内窓口による相談 国内拠点の事前コンサルテーションのお申込みは8月19日(水)17:00まで ▶ 窓口・詳細はこちら |
| 担当者情報 |
担当 丹羽 健治 JICAインドネシア事務所にて中小企業・SDGsビジネス支援事業を担当。これまでの知見を踏まえ、日系企業の海外進出を支援いたします。 ☎021-5795-2112 (Ext.221) ✉Niwa.kenji3@jica.go.jp |
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