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聖地メッカを向く伝統家屋「ルモ・アチェ」が語る信仰と美の哲学

インドネシアは多様な文化に溢れ、各州に独自の伝統家屋が存在する。例えばパプア地方には地面に直接建てるホナイがあるが、アチェ地方のルモ・アチェは高床式の美しい木造建築である。

この家屋は一般的に、前・中・後の三つの主要な広間と台所で構成され、随所に施された彫刻や装飾の美しさとそこに込められた哲学に魅力がある。一見同じに見える装飾も実は一棟ごとに異なり、アチェのどの地域で造られたかを示す手がかりになっている。

構造は16〜24本の強固な木柱で支えられており、かつては野生動物の侵入を防ぐ役割も果たした。高床下のスペースはユップ・メーと呼ばれ、家畜の飼育や女性たちが伝統的な手織物ソンケットを織る作業場として人々の生活に密着している。また、イスラムの教えが深く根ざすこの土地では必ず東を向き、背面が西(メッカの方向)を向く設計がなされ、常に聖地を意識し信仰を重んじる暮らしを象徴する。

近年は近代化に伴い減少しているが、バンダ・アチェを訪れれば今でもその美しい原形を目にすることができる。伝統を愛し、守ることは、国の豊かな文化を未来へ繋ぐ大切な一歩である。

もうひとネタ!
アチェの伝統には家屋「ルモ・アチェ」の他、ガヨ地方の伝統的な競馬など、地域ならではの躍動感ある行事もあり、豊かな文化を彩る魅力的な要素となっている。