外資企業がインドネシアの法人設立インドネシアで会社設立を行う際の手続き・ステップを説明します。
現地で設立する「PT」とは
外国からの投資で設立する株式会社(Perseroan Terbatas =PT.)は、インドネシア会社法で「有限責任を負う会社」と規定されています。
外国投資法では、外国資本により設立された法人をPMA (Penanaman Modal Asing)企業と呼び、国内企業(Penanaman Modal Dalam Negeri=PMDN)と区別されています。
現地法人設立のフロー
現地法人を立ち上げ、事業に取り組むまでに必要な手続きは 概ね次の3つのカテゴリーに分類されます。
<A> 会社名の予約・取得、原始(設立)定款作成、法務人 権省への設立登記、官報掲載などの公証人業務
<B>投資庁(Badan Koordinasi Penanaman Modal =BKPM)への初回登録、会社登録番号の取得、事業許 可・事業所許可の取得、管轄税務署への納税番号登録
<C>投資庁が求めるコミットメントの充足(環境許可等必要な条件は事業分野によって異なります。)
事業目的
株式会社(PT)は、設立の際に事業目的を設定する必要があります。事業目的は、その会社が何を事業とするか事業内容・目的を記載します。
事業目的はKBLI票「Klasifikasi Baku Lapangan Usaha di Indonesia:事業目的分類コード」に番号で記載され、会社事業に応じて番号を登録登記します。KBLIにおいては、事業種類の他、取扱い製品・サービスごとに番号が異なることから、会社が実施する事業に応じて登録が必要です
コミサリスとは
コミサリスとは、オランダ商法の監査役(Commissaris)に由来し株主代理人のような役割を待つ。取締役の執行停止や、取締役に代わって業務執行など、日本の監査役よりも強い権限が与えられている。
会社設立の具体的フローと注意点
設立時取締役(最低1名)、設立時コミサリス(最低1名)、株主(最低2社(2名))、会社本店住所、振込資本金額、授権資本額、株式数、種類株式の有無、取締役決議事項、総会決議事項、総会招集方法、取締役、コミサリスの人員、事業目的、役員の任期、その他株主間合意事項など、設立時に決定すべき事項を設立総会と原始定款作成に向けて会社重要事項・会社基本情報を確定。
上記が株主によって承認された後、公証人によって原始定款(設立定款)が作成・公証されます。
上記定款の作成と同時に公証人から会社名の予約取得がなされます。重複や類似の会社名は使用することができません。
原子定款(設立定款)完成後、公証人によって法務人権省に設立登記がなされます。この登記をもって、法人格取得となり、契約の当事者となることができます。
原始定款と法務人権省設立登記が完了した後、全ての会社は投資調整が管轄するOOS(Online Single Submission)システムへの登録が必要です。会社情報への初回登録と共にアカウントの取得、各データのアップロードを行いOSSへの登録を行います。
OSSシステム登録後は、会社登録番号(NIB:Nomor Induk Berusaha)の取得を行います。この番号は、登記システムをと統括する基礎番号として設立後も使用します。基本的に登録変更があっても番号事自体の変更はなく、今後予定されているOSSシステムの拡張と共に、付随許可や税・法務・VISAシステムなどの本格連動もこの基礎番号に会社情報が紐づいて運用がなされていく予定です。
NIB取得後、事業許可(IU)や事業所許可(Izin Lokasi)などの取得を行います。従前は全ての許可を満たしたのちに発行される審査後の許認可発行のスタンスでしたが、現在は先に許認可を発行して、後にコミットメントを充足する形での許認可システムへ変更されています。
管轄税務署へNPWP(Nomor Pokok Wajib Pajak:会社のTAX ID)を取得します。納税番号を取得した月以降は、月次納税・月次税務申告が必要となります。
OSSシステムから各許認可を取得した際には、コミットメントの充足が義務付けられます。各許認可には、コミットメント充足後に効力が発生する皆が注記されます。事後的な監査によって、コミットメント充足が認められない場合、注意・警告。行政指導等を経たうえで許認可の抹消などの罰則が科される場合があります。
必要書面詳細は格銀行によって異なるものの、上記会社登録が完了すると会社名義の銀行口座の開設が可能です。銀行口座開設後、資本金の払い込みを行い、営業が可能となります。
事業分野や地方によっては、その他気許認可取得が必要な場合があります。
上記設立登記が完了した後、駐在員の方のVISA・ITASのプロセスが可能となります。
※必要な手続きについては、業種や取り扱う品目などによって異なるため、詳細は専門コンサルタント会社に相談することが望ましい。