新型コロナウイルスの流行拡大を受けた景気減速の中、スタートアップ企業は予算削減や従業員の一時休業、解雇に取り組まなければ生き残れない――。投資家からこうした声が出ている。
米カリフォルニアに本拠を置くベンチャーキャピタル、GGVキャピタルのディミトラ・タスリム氏は「スタートアップ企業は従業員の一時休業を解雇に代わる選択肢とするほか、各種手当や食品の無料支給などを見直すべきだ」とする。また「一時休業はすべての従業員が休みに入るというのではなく、週に3日勤務にしたり、就労時間を減らしたりして対応できる」と語る。
インドネシアの国内総生産(GDP)伸び率は新型コロナウイルスの流行拡大を受け、2020年に前年比2.3%になるとみられている。これは1999年以来で最低水準となる。
ただし、タスリム氏は予算削減に関しては部門ごとに差異があるとみている。例えばソフトウェア関連の人材管理事業を手掛けるスタートアップ企業ではマーケティング・営業予算の削減が見込まれる。また解雇は予算削減策における最終手段だという。
一方、インドネシアのベンチャーキャピタル、VCイーストベンチャーは「われわれはスタートアップ企業の支援に注力する」としている。モバイル・マーケティング協会(MMA)の調査では、企業の多くは事業が通常通りに戻るのは8月ごろになるとみていることが分かった。また調査では大半の企業が新型コロナウイルスの流行により減収を経験していることも明らかになっている。とりわけ観光・ホスピタリティー部門の企業の落ち込みが大きい。