当初の採決予定日を前倒しするかたちで10月5日に行われた国民本会議で、インドネシア政府及び国民代表議会(DPR)は雇用創出オムニバス法案を賛成多数で可決し、同法の成立が確定した。これを受け、労働環境が悪化するとして同法の撤廃を求める労働組合や学生団体による抗議活動が各地で活発化している。
雇用創出オムニバス法は、70程度の現行法規を一括して改正するもので、海外からの投資促進を目的として、外資規制の要件緩和(ポジティブリストの運用)、事業認可プロセスの簡素化、法人税率の引き下げなどが盛り込まれている。一方で、雇用形態、退職金の規定、最低賃金の算出方法なども変更されるため、これまで労働者有利といわれていたインドネシアの労働環境が大きく変わる可能性がある。