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シャリア銀行への切り替え進む

インドネシアは2億3000万人以上のイスラム教徒を有する世界最大のムスリム大国でありながら、シャリア(イスラム法)銀行の総資産額は、国内銀行業界全体の6%強にとどまる。しかし近年、シャリア銀行が大きな成長を遂げている。

ロイター通信によると、シャリア銀行の貯金残高は2018年末から2021年3月にかけて、80%増加した。これは一般的な銀行の18%を大幅に上回る。

また、今年2月には、BRI銀行(バンク・ラクヤット・インドネシア)、マンディリ銀行、BNI銀行(バンク・ネガラ・インドネシア)の国営3行のイスラム銀行部門の合併により、国内最大のシャリア銀行「BSI銀行(バンク・シャリア・インドネシア)」が誕生した。

BSI銀行のフィルマン副社長は、ミレニアル世代の支持やフィンテックの拡大などの要因により、シャリア銀行への移行傾向がもたらされていると語った。近年、ミレニアル世代を中心にイスラム回帰の傾向がみられる。巡礼(ウムラ、ハッジ)の費用を貯めるため、シャリアで禁止されている利子(リバー)の授受を行う一般的な銀行からの切り替えが起こっている。また、新型コロナウイルス感染症の流行以降、銀行業界ではデジタルシフトが加速した。シャリア銀行でも商業金融と電子マネーをはじめとする製品が発展した。

インドネシアは今後5年間で世界のシャリア経済の中心になることを目指している。またシャリア銀行大手のBSI銀行は、2025年までに現在の国内銀行7番手から5番手まで拡大する計画である。