インドネシアでは昨年、暗号資産投資家の数が急増し、NFT(非代替性トークン)の人気が急上昇した。国内のブロックチェーンハブとして、今バリ島に注目が集まっている。
商業省によると、昨年の暗号資産取引額は2020年の60兆ルピアから14倍増加し、859兆ルピアとなった。暗号資産の管理・監視を管轄する商業省の先物取引管理庁(Bappebti)によると、インドネシアの暗号資産投資家の数は昨年1120万人に達し、2020年の約400万人から急増した。
暗号資産取引プラットフォーム「Tokocrypto」は、ジャワ島に次いで大きな市場であるバリ島に注目している。バリのTokocryptoユーザー数は、2020年の900人から昨年は2万8000人となり、指数関数的増加を記録している。同社は1月20日、バリに暗号資産コミュニティスペースを設立し、投資家の育成や最新のブロックチェーン技術の開発に力を注いでいる。
また昨年はNFTも話題となった。NFTはブロックチェーンに保存されているデータの単位で、写真やアート作品などのデジタルデータと紐づけることでデジタル資産化し、そのデータの信頼性や所有権を証明することができる。著作権侵害からデジタル資産を保護し、クリエイターは収益を確保できる。
インドネシアの男子大学生が、5年間分の毎日の自撮り写真をデジタル資産としてNFTマーケットプレイスで販売し、10億ルピア以上を稼いだとして世界中で話題となった。その後国内ではNFTの知名度が急上昇し、食べ物や服、さらには住民登録証(KTP)の写真までもデジタル資産として販売する人が現れた。
バリ島では地元のアーティストを支援しようと、NFTマーケットプレイス「Baliola」が立ち上げられた。Baliolaでは昨年8月時点でクリエイター約300人のイラスト、音楽、絵画などのデジタル資産が販売されている。