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ジョコ・ウィドド大統領の選挙後 家族との時間を大切にしたい意向

2024年に予定される大統領選で新大統領が誰になるかは現下の最大の注目ではあるが、現職のジョコ・ウィドド大統領の去就にも関心が高まっている。インドネシアの憲法では大統領は2期までで3選は認められていないので、順当に行けばジョコ・ウィドド大統領は大統領職から離れることになる。

しかし憲法を改正して3期目を託そうとする動きや副大統領候補として擁立する可能性、さらに大統領選などの選挙日程を最初からやり直すべきだという地裁判決が出るなど、予定通りに大統領職を終えられるかあれこれと不確定要素が噴出する状況になっている。

とはいえ情勢を冷静に分析すれば、大統領選は予定通りに実施され、来年2月には新大統領が選出されることになるだろう。

そしてジョコ・ウィドド大統領は政界を引退することになるとみられる。それはこれまでも機会があるたびに「いずれは故郷に戻って悠々自適の生活を送りたい」と話してきたからだ。それを裏付けるように、今回シンガポールの「ストレートタイムズ」との単独インタビューの中でジョコ・ウィドド大統領は「政治の世界に約20年いる。今後は家族の元に戻り環境問題に貢献したい」と述べて中央政界に残ることはないとの意向を改めて示した。

ジョコ・ウィドド大統領は何度も自らを「サヤ・オラン・カンプン(私は田舎の人間だ)」と呼び、原点はジャワ・スラカルタ(ソロ)という故郷にあることを強調、大統領任期を終えた後について「故郷」に帰って家族との時間を大切にしながら環境問題にも取り組みたいというのだ。まさに帰去来辞である。

おそらくこれがジョコ・ウィドド大統領の本心だろうが、後ろ盾となっている最大与党「闘争民主党(PDIP)」などジョコ・ウィドド政権を支えてきた政党や政治家がそれを諾として受け入れるかどうかは別問題だが。

ジョコ・ウィドド大統領はまた次の世代への期待を示した。これは自身が政界を引退しても長男がソロ市長、義理の息子がメダン市長であり、次男も政治的野心を抱いているとされるなど子供たちが政治の世界で今後さらに活躍することへの期待でもあり「引退後は安泰」との思いがあるのだろう。

政界が権謀術数渦巻く魑魅魍魎であることは日本もインドネシアも同様であり、こうした渦中に身を置くことに「正直心身ともに疲れている」と大統領に近い関係者は漏らす。

そうなら大統領退任後はスラカルタに戻って晴耕雨読、一竿風月で過ごしてほしい。